Shinです。遂に、ドル円が162円を超えました。2026年7月6日時点で、ドル円は162円台。Reutersも、円は1ドル162円台前半で推移し、約40年ぶりの安値圏にあると報じています。
これは、単なる為替ニュースではありません。そして、今日の話は、「日本が終わる」「円が紙くずになる」「今すぐ海外に逃げろ」という安っぽい不安煽りでもありません。むしろ、もっと静かで、もっと現実的で、もっと重要な話です。
本当に怖い変化というのは、テレビが大騒ぎする前に、静かに数字の中に現れます。そして多くの人が気づいた頃には、もう準備していた人と、何もしていなかった人の差が、はっきり開いています。
今回のドル円162円突破は、その象徴的な出来事だと思っています。もちろん、為替は上下します。来週には少し円高になるかもしれません。政府・日銀の為替介入で、一時的に円が戻ることもあるかもしれません。マーケットのポジション調整で、短期的にドル円が下がることもあるでしょう。
でも、大事なのは、今日の為替レートを当てることではありません。本当に見るべきなのは、もっと大きな構造です。
日本人が長年信じてきた、「日本円は安全」「銀行に預けておけば大丈夫」という前提が、静かに揺らぎ始めているということです。「日本の年金があるから大丈夫」「日本国内だけで生きていける」「日本語圏だけで仕事をしていれば大丈夫」という前提が、静かに揺らぎ始めているということです。
最近、日本の長期金利も上がっています。一見すると、「国債市場が荒れているんですね」「金利が上がったんですね」「政府の補正予算が原因なんですね」という、普通の経済ニュースに見えるかもしれません。でも、これはそんな軽い話ではありません。
長期金利の上昇は、日本という国の信用、日本円の価値、日本国債の需給、そして日本人の未来の生活コストと深くつながっています。
そもそも、なぜ日本はここまで借金を増やしても、長い間、低金利を維持できたのか。答えはシンプルです。日銀が買っていたからです。政府が国債を発行する。日銀がそれを買う。だから市場に国債があふれにくい。だから金利が上がりにくい。これが、ここ十数年の日本の構造でした。
ものすごく簡単に言えば、日本政府の借金を、日本銀行が巨大なクッションのように受け止めていたわけです。でも今、そのクッションが少しずつ薄くなっています。
日銀は、以前のように国債を無限に買い続ける姿勢から、少しずつ距離を取り始めています。金融政策の正常化。この言葉だけを見ると、とてもきれいに聞こえます。でも、現実はかなりシビアです。
日銀が前ほど買わないなら、誰が日本国債を買うのか?ここです。ここが、今回の本質です。
政府は、これからもお金を使いたい。社会保障費も必要。防衛費も必要。少子化対策も必要。地方への支出も必要。高齢化による支出も増え続ける。つまり、国債を発行したい。でも、日銀は昔ほど買わない。
では、銀行や生命保険会社が買えばいいのか?これも簡単ではありません。なぜなら、金利が上がると、すでに持っている国債の価格が下がるからです。銀行や保険会社からすると、「これ以上、国債を買って大丈夫なのか?」「さらに金利が上がったら、評価損が増えるのではないか?」「規制上、これ以上リスクを取れるのか?」という話になります。
つまり、政府は売りたい。日銀は前ほど買わない。民間も怖くて買いにくい。この三つが重なると、国債を売るためにはどうするしかないのか。答えは一つです。もっと高い金利をつけるしかありません。これが、金利上昇です。
そして、金利が上がると、日本政府の利払いも増えます。利払いが増えると、財政はさらに苦しくなります。財政が苦しくなると、また国債を発行する必要が出てきます。国債を発行すると、市場はさらに警戒します。市場が警戒すると、また金利が上がります。これが、本当に怖い循環です。
多くの人は、日本のリスクを考える時に、「日本は破綻するのか?」「破綻しないのか?」という極端な議論をします。でも、私はこの議論自体が、あまり意味がないと思っています。
大事なのは、明日、日本が破綻するかどうかではありません。大事なのは、日本円だけで資産を持つリスクが、以前より確実に上がっている。ということです。ここを見なければいけません。
円で給料をもらう。円で貯金する。円建ての保険に入る。円建ての年金を信じる。日本の銀行だけに資産を置く。日本の証券口座だけで運用する。日本国内の収入だけに依存する。昔は、それでもよかったかもしれません。日本が強かったからです。
人口も増えていた。製造業も強かった。円も強かった。貿易黒字もあった。国民の貯蓄も厚かった。世界からの信用も高かった。でも今は、前提が違います。
人口は減っている。社会保障費は増え続けている。国債残高は膨らみ続けている。日銀は無限に買い続けられない。円の購買力は落ちている。海外の物価と資産価格は上がっている。世界の富裕層は、すでに複数通貨・複数国で資産を持っている。
この中で、まだ「日本円だけで大丈夫」「日本の銀行だけで大丈夫」「老後は年金で大丈夫」「日本国内だけで稼げば大丈夫」と思い続けるのは、かなり危険です。
もちろん、私は日本を嫌いになれと言っているわけではありません。むしろ、私は日本が大好きです。食事も、文化も、温泉も、アニメも、職人の技術も、日本人の丁寧さも、世界に誇れるものがたくさんあります。
でも、日本が好きという感情と、日本円だけに人生を預けるという判断は、まったく別です。ここを分けて考えられる人だけが、これからの時代に資産を守れます。
日本を愛しているからこそ、日本円だけに依存しない。家族を守りたいからこそ、外貨を持つ。日本に住み続けたいからこそ、海外の金融インフラを作る。子どもの未来を考えるからこそ、世界から収入を得る力を持つ。これが、これからの日本人に必要な考え方です。
私は、これからの時代に必要なものは、大きく3つあると思っています。
一つ目は、外貨です。米ドル、カナダドル、スイスフランなど、日本円以外の通貨を持つこと。これは、単なる投資ではありません。円という一つの船に、家族の未来を全部乗せないための保険です。